この記事では、「機械式時計のメンテナンスや注意点」をご紹介します。
腕時計を選ぶ際に重要となるポイントは「絶対後悔しないために、一生モノの腕時計の選び方」で詳しく書きました。まだお読みでない方はぜひそちらの記事も読んでみてくださいね。
まだ慣れていない方は、機械式時計のメンテナンスや注意点って何をどうすればいいかわからないですよね。
僕は現在、50年以上前に製造されたオメガの機械式腕時計を日常で使用しています。古い時計ですのでとても繊細。なので、取り扱いについてたくさん調べました。
なので、その知識をあなたへ共有しますね。
すべて簡単なことなので、この記事を読んだ後にもすぐにできることがあるはずです。
機械式時計はきちんとメンテナンスをすればずっと使い続けることができるもの。あなたと人生を共にしてくれるだけではなく、あなたの子供や孫に受け継いでいくことができますよ。
1.時刻合わせを日課にする
機械式時計の大きな特徴は、きちんと時間を合わせても日々少しずつ(数秒~数十秒)時間がズレてしまうところ。
この特徴を「時計としてどうなの?」とか「いちいち修正するのが面倒だ」と考えてしまうことは簡単ですが、僕はこの特徴がとても愛おしいと感じています。だって、まるで生きているペットのようじゃないですか。
むしろ、1日に数秒~数十秒しかズレない機械式腕時計の精密さに驚くべきところです。
だって、身近な道具のように電気の力は使わず、ゼンマイと振り子の仕組み(テンプ)だけで動いているわけですから。
僕の場合は、週に1回、月曜日の朝(会社に行く前)に、テレビ画面の時計で腕時計の時刻を修正しています。週の始まりに「腕時計のリューズを引き、時刻を合わせる」、これが僕の日課(メンテナンス)です。
毎回、同じタイミングで腕時計の時刻を合わせるのがポイント。
例えば、いつもよりズレが大きくなったなどの異変に気づくことができます。
また、修正する日を決めていれば、ズレている度に修正する必要がないですよね。リューズを操作する回数が減るのも良いところです。
リューズの操作は、時計の内部に水分やゴミを混入させてしまうおそれがある行為なので、極力しないほうがいいでしょう。
ちなみに、僕の時計は少し進み気味のクセがありますので、わざと1分遅らせて合わせています。
週の半ばあたりにちょうど良くなり、少し進んだくらいで月曜日がくるので、毎週同じタイミングで時刻合わせをすることになります。
2.機械式腕時計は視覚と聴覚、触覚で楽しむ
機械式腕時計はいろいろな楽しみ方ができます。
- 【視覚】デザインで楽しむ
- 【聴覚】秒針の音で癒される
- 【触覚】様々なパーツが収まっている時計の重さを感じる
特に、滑らかに動く秒針を眺めていると心が落ち着くんですよね。
さらに耳を近づけると「チチチ」と規則正しい可愛らしい秒針の音がするわけです。
実は、そうやって楽しむこと自体も立派なメンテナンスです。
秒針の動きがいつもと違う、秒針の音が変、時計の内部から変な音がする・・・その場合はすぐに時計専門店へ相談に行きましょう。
異常をいち早く察知できれば、最小限の損傷で修理を行うことができて、腕時計も長持ちします。
3.機械式腕時計のお手入れと風防磨き
毎日身に着けている時計だとしたら、汗や脂などで腕時計も相当汚れています。
ケースや風防などは眼鏡拭きや鹿革(セーム革)で定期的に拭いてあげましょう。
細かい部分の汚れは爪楊枝をティッシュでくるんで、その先端を利用して取っています(僕のやり方です)。
また、風防がプラスチックなら、サンエーパール(900円くらい)で磨くとピカピカになりますし、細かい傷も綺麗に消えます。
※プラスチック以外の風防は磨くと逆に汚くなってしまう可能性があるので注意してください。
普段の感謝を込めて、お手入れをすることが長持ちする秘訣。
さらに、数年に1回はオーバーホールをすることも忘れずに。
4.機械式腕時計は運動や水気、磁気に注意
機械式時計は精密機械です。
衝撃に弱いので、ゴルフや野球などのスポーツをする時は外しておくほうが無難。
僕の腕時計のようにアンティーク腕時計と呼ばれるものは、特に水にも弱いので洗面時は濡れないように外すなど気を付けています。少し手首の上の方に押し上げてから手を洗ったりしていますし、雨の日は水分が時計にかからないように注意してあげます。
それでも不必要に水に濡らさないほうが無難です。仮にリューズがしっかり閉まってなかったとしたら・・・いくら防水性能が優れていても時計の内部に水が入ってしまいます。
ちなみに、機械式腕時計は磁気にも弱いものが多いので、スピーカーの近くなどの磁気が強いところに置くのは厳禁。
時計内部の部品が磁力を帯びてしまって、正確に時間を刻めなくなります。
※最近はオメガの「コーアクシャル脱進機+耐磁ムーブメント」という機構のように、耐磁性能が大幅に向上しているものもあります
このように、少し気を使ってあげなくてはならないところも機械式時計の可愛いところだと思っています。
まとめ
「機械式腕時計のメンテナンスってどうやればいいの?」
「機械式腕時計の注意点ってあるの?」
この記事では、そんな方に向けて次の4つのお話をしました。
- 時刻合わせを日課にする
- 機械式腕時計は視覚と聴覚、触覚で楽しむ
- 機械式腕時計のお手入れと風防磨き
- 機械式腕時計は運動や水気、磁気に注意
まずは、「2.機械式腕時計は視覚と聴覚、触覚で楽しむ」をしてみましょう。
お互い機械式腕時計を大切にしていきましょう!
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