バイク用のフットウェアは、快適かつ安全なライディングのために重要な道具です。
しかし、素材や形状が違う商品が数多く存在し、どのように選べば良いかわからないもの。
バイクは足で行う操作が多いため、合わないフットウェアを選んでしまうと、ライディングに支障が出ます。
そこでこの記事では、僕がよく使う「革ブーツ」に絞って、選ぶポイントやおすすめ商品、お手入れ方法を紹介します。
革ブーツはツーリング用として使いやすいジャンルなので、あなたに合った1足を見つけてください。
バイク用革ブーツを選ぶ6つのポイント
それでは、バイク用の革ブーツを選ぶときのポイントを6つ挙げていきます。
- 本革かどうか
- 脱ぎ履きがしやすいかどうか
- 足のくるぶしまでを覆う形状か
- シフトチェンジやブレーキの操作性はどうか
- 歩きやすいかどうか
- 長く使いたいデザインか
本革かどうか
革ブーツの素材は、「本革」を選びましょう。
というのも、見た目が似ている素材に「合皮」があり、性質が大きく異なるからです。
2つの素材の大きな違いは耐久性です。
合皮の寿命は1〜3年と言われているのに対し、本革は5年〜10年以上。
安全性重視や経年変化を楽しむという意味で、バイクに使うなら本革がおすすめです。
素材判別の方法は、商品タグや表示を見るのが確実です。購入前に必ずチェックしましょう。
本革のデメリット
本革は、高コストと定期メンテナンスが必要なのがデメリットです。
この記事の後半では、コスパが良いおすすめ商品とお手入れ方法を紹介しているので参考にしてみてください。
脱ぎ履きがしやすいかどうか
バイクのフットウェアは、脱ぎ履きのしやすさが重要です。
レインウェアの着脱や飲食店の小上がりなど、ブーツを脱ぎ履きする機会は意外と多いからです。
1回の手間は大したことないですが、回数を重ねると嫌になります…
おすすめは、サイドファスナーになっているもの。
紐などで常にジャストフィットを決めておき、脱ぎ履きはサイドファスナーでできるので、とても快適です。
足のくるぶしまでを覆う形状か
革ブーツの形状は、足のくるぶしまで革で覆えるものが安全です。
くるぶしは皮膚1枚のすぐ下に骨、という非常にデリケートな部位。
さらに、出っ張っているので転倒時に地面などに接しやすく、大怪我をしやすい部分です。
万が一、くるぶしを骨折、地面で削られるようなことがあれば最悪、後遺症が残ることもありえます。
少しでも安全性を高めるために、くるぶしは革ブーツで保護しましょう。
シフトチェンジやブレーキの操作性はどうか
バイクの操作性を大きく左右するのは、靴底の厚みと形状です。
薄いほうがステップの感覚をダイレクトに感じられるのでおすすめです。
靴底の形状は、大きく分けてヒール付きとフラットがあります。
ヒール付きソールはステップを噛んで足を固定しやすく、フラットソールは自由に足の位置を決められます。
一般的にバイク用シューズはヒールがあるほうが使いやすいと言われます
また、左足の甲にシフトガードがあれば、シフトチェンジによる足へのダメージを軽減できます。
歩きやすいかどうか
バイクを降りた後の歩きやすさも大事なポイントです。
そこで気にすべきなのは、ブーツのサイズや靴底。
サイズは自分の足にフィットしたものを選びましょう。
また、トレッキングなどツーリング先でアクティブに動き回る人は、適度にしなるものや製法、フラットな靴底を選ぶと歩行時の疲労を軽減できます。
個人差はありますが、「歩きやすいかどうか」という視点を忘れずに選びましょう。
長く使いたいデザインか
ここまで機能的なことをお話してきましたが、最後はやっぱりデザインです。
見た目が気に入ったブーツを履いていると、ツーリングもモチベーションが上がります。
愛着が湧くので「お手入れをして長く使おう!」という気にもなります。
この記事の後半では、お手入れの方法を紹介しているので、参考にしてみてください。
バイクにおすすめの革ブーツ3選【コスパ最強】
革ブーツを選ぶポイントをふまえ、コスパに優れるおすすめ商品を紹介します。
これまで履いた10足の革ブーツから厳選した、コスパ最強の3足です。
製品名 | 材質 | 脱ぎ履き | くるぶし保護 | 操作性 | 歩きやすさ | デザイン | 価格 | Amazonで見る |
「WILDWING イーグル」 | 本革 | サイドファスナー | 保護 | バイク専用の「斜めカットヒール」採用、シフトガードあり | スリットで靴底のしなりUP | どんなバイクにも合わせやすい、シンプルなエンジニアブーツ | 16,390円 (記事執筆時点メーカー価格) | 詳細を見る |
「レッドウィング #8166」 | 本革 | 紐 | 保護 | フラットソール、シフトガードなし | グッドイヤーウェルト製法 | ファッションブーツらしいカジュアルな見た目 | 38,390円 (記事執筆時点メーカー価格) | 詳細を見る |
「AVIREX YAMATO(ヤマト)」 | 本革 | サイドファスナー | 保護 | ヒール付きソール、シフトガードあり | グッドイヤーウェルト製法 | 軍製品由来の無骨なデザイン | 18,700円 (記事執筆時点メーカー価格) | 詳細を見る |
WILDWING イーグル
「WILDWING イーグル」は、現在メインで使用しているエンジニアブーツです。
良質な牛本革製で、耐摩耗性・引き裂き強度に優れています。
革はしなやかで、革ブーツによくありがちな「長時間履くと足が痛くなる感覚」は一切ありません。
靴底には、バイク専用に開発された「斜めカットヒール」を採用。
専用設計なのでステップにヒールを沿わせれば、つま先のシフトガードがシフトペダルとピッタリ合います。
靴底には、しなり易さを実現するためにスリットが入っています。
これによりバイクを降りたあとも抜群の歩きやすさです。
サイドファスナー式なので、脱ぎ履きのしやすさはピカイチ。
車体を傷つけないようにファスナーカバーも付いています。
シンプルなエンジニアブーツなので、街履きもできるデザインです。
消耗品のヒールだけ1度交換しましたが、6年使用しても破損は全くありません。耐久性の高さは実証済みです。
このクオリティで2万円以下は破格です!
レッドウィング #8166
「レッドウィング #8166」は、デザインと耐久性が抜群の革ブーツです。
超良質な革を使用し、履けば履くほど足に馴染んできます。
レッドウィングのブーツは10年以上使用できる品質ですので、一生モノとして多くの人に愛されています。
バイク用ではありませんが、過酷な環境での使用を想定したワークブーツなので、耐久性は非常に高いです。
くるぶしもシッカリ保護してくれるので、安心感があります。
#8166はつま先が丸い形状(ラウンドトゥ)なので、シフトチェンジを邪魔しません。
レッドウィングの中でも、バイク用として使いやすい型番と言えます。
靴底の「トラクショントレッドソール」は、クッション性とグリップ力が高く、軽量なレッドウィング社オリジナルのソールです。
長時間の歩行による疲労を軽減してくれます。
靴底はフラットなので、足の位置を固定せず自由に操作できます。
もともとバイク用ではなくファッションブーツなので、デザインは最高。
アメカジの定番と言われるだけあり、ジーンズとの相性も抜群です。
ここまで最低限の安全を保ちつつ見た目も妥協しないブーツは、多くありません。
デメリットは、高価(とはいえ、レッドウィングの中では安価な部類)なことと脱ぎ履きがしにくいところです。
ただ、バイク以外の普段履きもできる(というかそっちがメインかも…)し、一生モノになる品質を考えればコスパは十分です。
バリエーションを増やす意味で1足あると重宝する革ブーツです。
AVIREX YAMATO(ヤマト)
「AVIREX YAMATO(ヤマト)」は、以前使用していたブーツです。
5年間使用し、靴底がすり減ったためやむなく買い換えました。当時は「靴底を交換する」という術を知らず…まだ使えたので後悔しています。現在は手元にないため、画像がないですがご了承ください。
軍製品に起源を持つAVIREXらしい、しっかりとした作りの牛本革ブーツです。
機能的なデザインが醸し出す特有の美しさも特徴のひとつ。
靴紐がありますがサイドファスナー式なので、ジャストフィットを決めたままスムーズに脱ぎ履きができます。
ファスナー全体は、ベルクロ(マジックテープ)で隠せる仕様。
バイクが傷つかず、金属部が見えないので見た目も美しいです。
堅牢なグッドイヤーウェルト製法なので、履き心地は抜群。これは歩きやすさにも貢献しています。
グッドイヤーウェルト製法とは?
19世紀後半に確立された伝統的靴製法。この製法で作られた靴は型崩れしにくく、長時間歩いても疲れにくく、堅牢です。
デザインは超秀逸。文句なしでかっこいいです。
どんなバイクでも合いますし、カジュアルなので気兼ねなく街履きもできます。
最初は革が硬く、馴染むまでは少々足が痛いのがデメリットですが、一回馴染んでしまうとグッドイヤー製法も相まって快適そのものです。
軍製品由来の機能とデザインが好みならおすすめ!2万以内なのでコスパも抜群です!
革ブーツのお手入れ方法
革ブーツと長く付き合っていくためには、定期的なお手入れが重要です。
そこでバイク用に限らず、革靴やブーツを多く所持する僕が、普段しているお手入れ方法を紹介します。
手順はたった5つだけ。
難しくないのでちょっとした道具さえ揃えれば誰でも簡単にできます。
- 靴紐やバックルなどの付属品を外す
- ブラシでホコリなどの汚れを落とす
- 革用の汚れ落としで汚れや古いクリームを落とす
- 革用のクリームを塗る
- ブーツ全体を磨き、乾拭きで仕上げる
靴紐やバックルなどの付属品を外す
靴紐やバックルなど、ブーツの付属品はできれば全て外しましょう。
靴紐やバックルと重なった部分にはホコリや汚れがたまりやすいですし、それらがないだけで作業が圧倒的にやりやすくなります。
ただし面倒なら、2回のうち1回だけ外すとかでもOK。
お手入れをやることが最優先なので、うまく手抜きをして調整してください。
馬毛ブラシでホコリなどの汚れを落とす
馬毛ブラシを使ってブーツの表面を念入りにブラッシングして、ホコリや汚れを落とします。
全体をまんべんなく磨いてください。
なぜ馬毛ブラシがいいの?
ブーツ磨きには馬毛ブラシと豚毛ブラシを使いますが、それぞれの特徴により、使う場面が異なります。
馬毛ブラシは、毛の密度が詰まっていて、毛足が長く、適度な弾力があるため、ホコリや汚れを払い落とす最初の工程に最適です。
革用の汚れ落としで汚れや古いクリームを落とす
革用の汚れ落としを布に適量とって、ブーツ全体を拭き取ります。
汚れと古いクリームを取り除くことで、新しいクリームが浸透しやすくなります。
このひと手間で仕上がりが激変します
僕は、「レザリアン」を長年使っています。
ベタつきにくく乾燥が早いので、使いやすい汚れ落としです。
カビ止め剤も入っていて、革の天敵であるカビの発生が抑えられるのも嬉しいポイントです。
革用のクリームを塗る
革用のクリームを全体にまんべんなく塗り広げます。
布で塗ってもいいですが、おすすめは指です。指の体温でクリームが柔らかくなるし、浸透もしやすくなります。
クリームで適度な潤いを与えることで、革のシワやヒビ割れを防ぎます。
クリームは塗りすぎると逆にカビの原因となるので、くれぐれも塗りすぎないように…
クリームは、「Jewel」を使用しています。
無色のクリームなので、どんな色の革ブーツにも使えるのがポイントです。
浸透性が高く革に栄養を与えますが、革が柔らかくなりすぎないので初心者にも扱いやすいクリームです。
ブーツ全体を磨き、乾拭きで仕上げる
豚毛ブラシを使ってクリームを馴染ませます。
豚毛ブラシは硬く鋭いので、クリームを革にしっかり馴染ませるのに最適です。
ブラッシングが済んだら、布で余分なクリームを拭き取りつつ、仕上げの磨きをして終了です。
これだけのお手入れで革ブーツは見違えるほど、何度でも蘇ります。
バイク用革ブーツのおすすめまとめ
本記事は、「バイク用革ブーツの選ぶポイントやおすすめ商品、お手入れ方法」について書きました。
ひとえに革ブーツと言っても、素材、形状、靴底、デザインは様々です。
ここに記載のある商品は、全て実際に使用しています。
本気でおすすめだと思うものだけを紹介したので、バイク用の革ブーツが欲しい方はぜひ選択肢に入れてみてください。
チェックポイント
■ バイク向け高機能エンジニアブーツ → 「WILDWING イーグル」
■ 見た目と安全性を求めるなら → 「レッドウィング #8166」
■ 軍製品由来の機能と見た目が好みなら → 「AVIREX YAMATO(ヤマト)」
製品名 | 材質 | 脱ぎ履き | くるぶし保護 | 操作性 | 歩きやすさ | デザイン | 価格 | Amazonで見る |
「WILDWING イーグル」 | 本革 | サイドファスナー | 保護 | バイク専用の「斜めカットヒール」採用、シフトガードあり | スリットで靴底のしなりUP | どんなバイクにも合わせやすい、シンプルなエンジニアブーツ | 16,390円 (記事執筆時点メーカー価格) | 詳細を見る |
「レッドウィング #8166」 | 本革 | 紐 | 保護 | フラットソール、シフトガードなし | グッドイヤーウェルト製法 | ファッションブーツらしいカジュアルな見た目 | 38,390円 (記事執筆時点メーカー価格) | 詳細を見る |
「AVIREX YAMATO(ヤマト)」 | 本革 | サイドファスナー | 保護 | ヒール付きソール、シフトガードあり | グッドイヤーウェルト製法 | 軍製品由来の無骨なデザイン | 18,700円 (記事執筆時点メーカー価格) | 詳細を見る |