「温泉と名の付くものはどれも特別なお湯だろう」
「どの温泉にも体に良い“有用成分”が溶け込んでいるに違いない」
これは、僕が温泉に対して持っていた“間違った”思い込みです。
わざわざお金を払って入浴するのだから、ただ広いだけのお風呂なわけがないと信じたかったのかもしれません。
僕には温泉に関する知識が足りなかったんです。
でも、1冊の本で温泉のことを勉強したおかげで、温泉の見方が180度変わりました。
この記事は、以前の僕と同じように「温泉の知識がない方」に向けて僕が勉強したことをシェアしたくて書いています。
この記事を読むと、今までとはまったく違った(ワンランク上の)温泉の楽しみ方ができるはずですよ。
そもそも温泉ってなんだ?
つまり、温泉法によれば、温度か、含まれる物質のどちらかの条件を満たせばよい。湧き出た水の温度、すなわち泉温が二十五度未満と冷たくても、十九項目のうち、一つでも物質の規定を満たせば、法律上は「温泉」と認められるということである。逆に、物質の条件をどれ一つ満たせなくても、湧出した泉温が二十五度以上ありさえすれば、やはり「温泉」と認められる。
引用元:石川理夫「温泉♨法則」より
なんと、25℃以上の「なんの変哲もないお水(湯)」でも温泉法上は「温泉」になり得る。
いやいや、「自分が考えていた温泉のイメージとは違うぞ・・・」と感じたのは僕だけではないはずです。
「温泉」という言葉につられて無条件で喜んでいた今までの僕は、温泉の知識が足りていない典型的な人間でした。
例えば、大型日帰り温泉施設での入浴は僕が考えている温泉ではなく、ただの「お風呂遊び」だった可能性があるということです。
※すべての大型日帰り温泉施設がただのお水(お湯)であるということではありません。あくまで可能性のお話しです。
それに気付けただけでもこの本を読んで、勉強してよかったと思っています。
「本物の温泉」とは?
温泉法上の「温泉」という言葉は、僕が想像している温泉とは少し違うということがわかりました。
少なくとも「25℃以上の何の変哲もないお水(湯)」は、僕が想像していた「温泉」とは違う。
では僕が想像していた「温泉」、つまり「本物の温泉」とはなんだろう?
勉強を進めていくにつれて、「それは“源泉掛け流し温泉”だ!」という結論に僕は達しました。
源泉そのものを湯口から湯船にたえず注ぎ込んで、湯船のふちから湯をあふれ(オーバーフロー)させ、湯を新鮮な状態に保っているものをいう。
引用元:石川理夫「温泉♨法則」より
「温泉も人と同じように老化する」らしいのです。
新鮮な温泉が良さそうなのはなんとなくイメージできますよね。
「源泉掛け流し温泉」の魅力は、常に新鮮な源泉が供給されているので清潔かつ温泉の療養効果や持ち味を存分に感じられるということ。
この魅力こそが、「25℃以上の何の変哲もないお水(湯)」ではなく「温泉」だと認識できるポイントだと、僕は思ったんです。
温泉の知識として知っておきたい「循環湯」
さて、いままでお話しした内容をおさらいしますと・・・
- 「温泉」という言葉は「25℃以上の何の変哲もないお水(湯)」でも使われる可能性がある
- 「僕が思っていた温泉」と「温泉法上の温泉」にはズレがあることに気付いた
- 僕が思っていた「温泉」とは、「源泉掛け流し温泉」のことだと(僕の中で)結論付けた
あとは、「源泉掛け流し温泉」を選べばいいだけ!
・・・なのですが、「源泉掛け流し温泉」以外の温泉にはどんなものがあるんだ?
という疑問が僕の中に浮かんできました。
温泉を選ぶにあたって絶対に知っておいたほうがいい知識でしたのでご紹介させてください。
「循環湯」というものの存在は知っておいて損はありません。
「源泉掛け流し温泉」の逆をイメージすればわかりやすいかもしれません。
常に新鮮な源泉を注ぎ込んであふれだした分を捨てる「源泉掛け流し」に対して、浴槽の湯をろ過装置などで浄化してからまた浴槽に戻すのが「循環湯」です。
循環湯にも様々な種類や目的があり、単純に「循環湯は悪い」というわけではありません。
でも、少なくとも温泉が持つポテンシャルを最大限に活かすという観点では、「循環湯」より「源泉掛け流し」のほうが良いに決まっています。
僕が探すべき「源泉掛け流し温泉」に一歩近づくためにも、その他の例として「循環湯」の特徴を知っておきたいと思ったんです。
浴室の戸を開けたとたん、漂う塩素殺菌臭が鼻についたら、塩素殺菌をかなり強化しているろ過循環湯と考えて間違いない。
引用元:石川理夫「温泉♨法則」より
「温泉♨法則」にはいくつかの「循環湯」を見分ける方法が記載されていますが、一番わかりやすかったのが上記の匂いによる判別。
今までの入ってきた温泉の記憶をたどってみると、思い当たる節がたくさんあります。
正直なところ、僕のような素人が必要以上に「これは循環湯か!いや、違うか?」と敏感になっても仕方がない。
ただ、知識として知っているかどうかって大きな意味があると思うんですよ。
温泉に入った瞬間に「これは循環湯ってやつかなあ?」ってゆるーく考えてみるのって今までにない温泉の楽しみ方のひとつな気がします。
もちろん「本物の温泉」に近づく第一歩でもありますよね。
「温泉分析書」は最強の解説書!
よく脱衣所に貼ってある、住所や成分が暗号の様に書かれているもの。
「この難しそうなのはなんだろう?」って思っていたんですが「温泉分析書」というものらしいのです。
僕もこの「温泉♨法則」を読んでから注意して探すようになったんですが、ほとんどの温泉に貼ってありますね。
温泉分析書から「温泉の湧出量」を読み取ることができれば、浴槽の規模と比較して循環湯かどうかの見当が付きます。
だって、温泉の湧出量がそれほど多くないのに、大きい浴槽があったり浴槽の数がたくさんあったりするならそれは、お湯を循環させて工面していると考えられるからです。
もちろんその他にも含有成分や温泉の特徴を知ることができる「温泉分析書」は、素人の僕にとっては最強の解説書です。
超簡単な「本物の温泉」の探し方とはこの「温泉分析表」を読むことだと、僕は学びました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「温泉と名の付くものはどれも特別なお湯だろう」
「どの温泉にも体に良い“有用成分”が溶け込んでいる」
これは、僕が温泉に対して持っていた間違った思い込みだったということをご理解いただけたと思います。
「温泉」という言葉に惑わされてはいけないということですね。
本記事では、「温泉分析表」を読むことが「本物の温泉」を見分ける超簡単な方法だということをお話しました。
そして、その「温泉分析表」を理解するには「温泉の定義」や「循環湯」という知識があったほうがいいよなあと、僕自身が感じたのでそのお話しも同時にさせていただきました。
僕のおすすめは、まず「温泉分析表」を読まずに温泉を楽しむこと。
この温泉は「循環湯」なのか、それとも「源泉掛け流し温泉」なのか。
そんなことを考えながら温泉を楽しむのもいいかなあと思います。
そして、温泉を堪能してから「温泉分析表」を読んで答え合わせをする。
楽しいですし、答え合わせをしていくうちに「本物の温泉」を見極める力が身に付くような気がしています。
お互い温泉を楽しみましょうね!
参考図書