- キャンプで焚き火をしたいけど難しそう…
- 道具は何を揃えればいいかわからない…
- 初心者でもできるように焚き火のやり方を教えて!
焚き火のやり方を習得することはとても重要です。
知識のない状態で焚き火をすれば、「危険な目にあったり、マナー違反をしてしまって周りから白い目で見られる」という状況になってしまうことがよくあります。
そこでこの記事では、キャンプツーリング初心向けに焚き火のやり方から後処理、マナー、おすすめ道具、道具の積載方法までをもれなく紹介します。
網羅的に解説するので、この記事を読めば焚き火で失敗することはありません。安心して読み進めてください。
道具の積載はバイク向けの内容ですが、それ以外は焚き火の基本を解説しています。バイクに乗らない人も参考になるはずです。
焚き火がおすすめな理由【3つ】
焚き火の魅力を3つに絞って手短に紹介します。
- 癒し効果
- 時間と会話を繋ぐ
- 五感で楽しめる
癒し効果
人は、焚き火のゆれる炎やパチパチと薪が爆ぜる音を心地良いと感じます。
この癒し効果は「1/fのゆらぎ」によるもので、科学的な理由があります。実際、「1/fのゆらぎ」には鎮静効果がある、うつ病に効くと言われているそうです。
日常生活で疲れている人は、焚き火をすることでホッと落ち着く時間を過ごせます。
時間と会話を繋ぐ
焚き火を囲むと会話が弾みます。
寡黙な友人が饒舌になったり、普段とは違って真面目な話ができたり、焚き火の効力を何度も目の当たりにしてきました。
それだけではなく、ソロキャンプでも焚き火は強い味方です。
早々に晩ご飯が終りがちなキャンプで、食後の時間を埋めてくれるからです。
お酒を飲みながら、簡単な料理を作りながら、焚き火を眺めていると自然と時間が過ぎていきます。
だんだんと火が小さくなり、そのまま眠りにつけば、心地良い充実感だけが残り続けます。
田淵義雄さん(作家)は「焚き火は森のテレビジョン」と表現しました。ただぼんやり眺めているだけで時間が過ぎてしまう、焚き火にはそんな魅力があります。
五感で楽しめる
炎を眺め(視覚)、パチパチ・シューシュー・ゴーという薪や火の音を聴き(聴覚)、料理をして(味覚)、煙の匂いを嗅ぎ(嗅覚)、暖を取る(触覚)。
焚き火は人間の五感全てで楽しむことができます。
焚き火ほど五感フル活用して楽しめるものはそうそうないでしょう。
キャンプにおいて焚き火は、ないよりは絶対にあったほうがいい存在です!
焚き火台と薪を使用した焚き火のやり方
焚き火の手順を以下の5つに分けて解説します。(必要な道具については後ほど詳しく解説します)
- 焚き火台を設置する
- 火付けの事前準備
- 着火剤を置く
- 細い薪をくべて着火する
- 火を育てる
焚き火台を設置する
焚き火台の設置場所は以下2点に注意しましょう。
- 燃えやすいものは遠ざける
- 風が強く当たらない場所を選ぶ
焚き火からは初心者が想定している以上の火の粉が飛びます。
焚き火台は、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維(テントやイス、衣服等)を避けて設置しましょう。火の粉で穴が開いたり、繊維が溶けて火傷する危険性があります。
また、焚き火にとって風は天敵。
強い風があたると、種火が消えたり、火の粉を遠くに飛んだりと、焚き火の難易度が上がるので避けましょう。
火付けの事前準備
火付けの事前準備として、細かい薪を用意します。
ノコギリや鉈を使って、割り箸くらいの薪と人差し指くらいの薪を10本程度用意しましょう。
余裕があればナイフで薪を毛羽立たせておくと良いです。燃えやすくなって、火付けがさらにスムーズになります。
また、乾いた小枝が落ちていれば少し集めておきましょう。火付けや火力を上げたい時などのサポートに使えます。
着火剤を置く
焚き火台の中央に着火剤を設置します。
初心者は市販の着火剤を使用することをおすすめします。確実に燃え上がらせて、火付けの失敗をうんと減らすことができるからです。
まず火おこしが最重要。これができなければ話になりません。
市販の着火剤がない場合
スギの枯葉や樹皮、シラカバの皮、ススキの穂、シュロの繊維状の樹皮、松ぼっくりなどはよく燃えるので(着火剤ほどではありませんが)、ほぐせば火口として使えます。このことを知っておけば、着火剤がない場合でも焦らず対処できます。
必要に応じてキャンプ場の管理人に許可をもらうなど、ルールを守って採取しましょう。落ちているものや倒木から収集するのは最低限のマナーです。
人工物ならティッシュや割り箸、トイレットペーパーなどが火口として使えます。割り箸はナイフで繊維状に、ティッシュやトイレットペーパーは手で絞って棒状に加工すれば火付けがしやすくなりますよ。
細い薪をくべて着火する
着火剤を中心にして、火付け用の細い薪を組みます。
割り箸サイズから人差し指サイズへ、外側にいくにつれて徐々に大きな薪を配置すればOK。
この時、薪はテントのような放射線状に組むのがポイント。さらに空気の入り口を意識しておけば効率良く燃えるので火付けの成功率がアップします。
薪の配置が終わったら、いよいよ着火剤に火をつけます。
火を育てる
火付け用の薪が確実に燃えるまではいじらないように我慢してください。
火種が消えてしまう恐れがあるので、団扇で仰いだり、息を吹きかけるのも控えたいところです。
しばし見守った後、薪がある程度燃えてきたら、火吹き棒で焚き火の中心に向けて空気を送ります。
火に勢いがでたら薪を追加しましょう。
一度安定してしまえば、火は滅多なことでは消えません。
火は必要以上に大きくせず、程々にしておきましょう
焚き火の後処理の方法
焚き火をするにあたり、後片付けのほうが火付けよりも難しいと思っています。
ここでは後処理の方法を3つの手順で紹介します。
- 灰まで燃やし切る
- 急に冷やさない
- 燃やし残しの処理方法
灰まで燃やし切る
薪や炭が真っ白でフワフワの灰になれば、燃やし切った状態。
灰は土の養分となるので火吹き棒などで吹き飛ばながら地面に撒きます。
撒いた後は土になじませて、焚き火をした痕跡を残さないのがマナーです。
焚き火を終える頃にほぼ全ての燃料がこの状態になっているのが理想なので、薪や炭の投入量のコントロールが重要です。
急に冷やさない
焚き火台に水をかけで急に冷やすのはNG。
変形や破損の原因になります。
手で触れられる程度に冷ましてから片付けましょう。
燃やし残しの処理方法
灰にならない燃え残りは、バケツに張った水か火消し壺に入れて完全に消火します。
その後、キャンプ場の決められた場所に捨てるか、持ち帰りましょう。
僕は持ち帰るのが面倒なので、焚き火をする場合は炭の捨て場があるキャンプ場を選ぶことが多いです。
キャンプ場のホームページやブログなどで炭捨て場を事前にリサーチしておくと、後処理が簡単でおすすめです。
どうやって持ち帰る?
「火消し壺を持ってきていない……」
炭捨て場がなくて持ち帰るしかない場合、完全消火の後でアルミホイルに包んでからコッヘルに入れる方法があります。この方法で持ち帰ると、他の荷物が汚れないし、金属製のコッヘルなら少々の熱は問題ないので安心です。
焚き火のマナー
焚き火のマナーとして最低限、以下4つは守りましょう。
- キャンプ場のルールをよく読む
- 灰まで燃やす
- 草地は避ける
- 焚き火の痕跡を残さない
キャンプ場のルールをよく読む
サイトでの焚き火可能か?
焚き火台は必要か?
これらはキャンプ場によって異なります。
ホームページや受付などに明記されていることがほとんどですので、焚き火をする前に必ず確認しましょう。
記載が見当たらない場合、受付で管理人さんに確認してから焚き火を始めましょう
灰まで燃やす
灰は土の養分になるので、焚き火では灰になるまで燃やす完全燃焼を目指したいところです。
一方、灰にならなかった炭は放置したり埋めてはいけません。土中で分解されずに残ってしまうからです。
炭は灰まで燃やすか持ち帰る、もしくはキャンプ場の所定の場所に捨てる。
これを徹底しましょう。
草地は避ける
焚き火をする場所として、草や腐葉を焦がす恐れがある場所は避けたいところです。
防燃シートは積極的に利用すべきですが、熱は伝わるので焦げる可能性が完全になくなるわけではありません。
特に芝生は燃える、枯れるなどダメージを受けやすいのでできる限り避けましょう。
芝生に焚き火の焦げ跡を残すのは最悪。重大なマナー違反です。
焚き火の痕跡を残さない
繰り返しになりますが、焚き火の痕跡を残さないのが基本中の基本です。
昨今のキャンプブームの影響もあり、焚き火の跡をそのまま放置した写真がSNSに掲載され、炎上しているのを見かけました。
片付けがきちんとできない人は焚き火をしてはいけないと思います。
この記事で紹介した、「灰は土になじませる」や「草地を避けて焦がさない」、「炭は持ち帰る」などを徹底すれば自然と痕跡は薄れていきます。(それでも完全に消すのは難しいです)
『来た時よりも美しく』
僕も含め、この精神を徹底したいところです。環境や周りの人に配慮しながら焚き火を楽しみましょう。
焚き火に必要な道具
キャンプツーリングで焚き火を楽しむために必要な道具は、以下の8つです。
- 焚き火台
- 炭バサミ
- ノコギリ
- 鉈(なた)
- ライター
- 火吹き棒
- 着火剤
- 薪
バイクに積載しやすいように、上記は全て焚き火台の袋の中に収納しています。
焚き火台
最近は直火禁止のキャンプ場が多いので、焚き火台は必須アイテムです。
僕が長年愛用している焚き火台は、「ユニフレームのファイアスタンドⅡ」です。
特殊耐熱鋼メッシュを採用しているので耐久性が抜群。さらに耐熱鋼メッシュは下からの通気が良いため効率よく燃え、初心者でも簡単に焚き火を楽しめます。
巻いて畳めばカバンに収まるサイズになる上に超軽量(500g以下)。バイクへも積載しやすい設計です。
とにかくコンパクトな道具で失敗なく焚き火がしたい方には最適の焚き火台なので、迷ったらとりあえずこれを選んでおけば間違いありません。
\焚き火台に迷ったらコレ!/
炭バサミ
薪の投入や調理道具を火にかけるときは、火バサミを使いましょう。火傷防止になります。
また、料理中や食事中の場合でも手を汚さずに薪の追加ができるのは衛生面でもメリット。
確実に役立つ、というかないと不便極まりないので持っていきましょう。
下記はコストパフォーマンスに定評のあるキャプテンスタッグの炭バサミ。握りやすい木製グリップ、しっかり掴めるギザギザの先端、収納に便利なストッパー、ステンレス製など長く愛用するための機能がもれなく搭載されています。
\快適な焚き火の要/
ノコギリ
ノコギリは火付け用の細い薪を作る際、木を適当な長さにするために使います。
倒木や流木なども薪として利用できるので、1本あれば安心です。
これから購入する場合は、「ポケットボーイ 万能目170」がおすすめ。
世界的に愛用者の多い日本の名ノコギリで、乾木も生木もよく切れる上に、小型で携帯性に優れます。
焚き火系の本でもよく紹介されています。Amazonで2,000円前後で購入できるコスパの良さもおすすめな理由です。
\愛用者多数!後悔しない1本/
鉈(なた)
鉈は木を割るために使います。
ノコギリは木の長さ、鉈は木の細さを調整するイメージです。
鉈に関しては大きくて重いほうが使い勝手はいいですが、僕は積載性を考慮して刃渡り110mmの鉈を愛用しています。
小型なので携帯しやすく、火付け用の薪を作る程度なら問題なく機能しています。
ライター
火をつける方法はたくさんありますが、最もポピュラーなのはライターです。
扱いやすく軽量なので、慣れていないうちはライターを使いましょう。僕は100円程度の安いライターを使っています。
慣れてきたら、メタルマッチ(ファイヤースターター)で着火するのも面白いです。少し面倒な分、火付けが上手くいった時の達成感はひとしおです。
ライターの不調で火がつかない場合を想定して、ライターとメタルマッチの2種類を準備しておくと完璧。
下記のメタルマッチは、ロッドとストライカーがセットになっていてすぐ使用できます。さらに紐で繋がっているので片方を無くす心配もありません。
メタルマッチは、ひとつ持っておくと防災用の備えにもなります
\メタルマッチ初心者でも使いやすい!/
火吹き棒
火吹き棒があれば、焚き火から離れて空気を送ることができます。
口で直接息を吹きかけたり団扇であおぐよりも安全ですし、ピンポイントで空気を送れるのもメリットです。
そもそも団扇で全体に風を送ると、不必要に灰や火の粉を舞い上げてしまいます。
ここはひとつ、火吹き棒をカバンに忍ばせておきましょう。嵩張らないわりに、スマートに火を育てることができて重宝します。
\現役キャンパー監修/
着火剤
火がつかないと面白くないので、初心者の方は市販の着火剤を準備しましょう。
風や湿気に強いものが、失敗しづらくておすすめです。
以下の製品は1989年発売以来のロングセラー商品。水に濡れても燃え続ける強力な火力、完全防水で湿気ないというまさに最強仕様の着火剤です。
\水をかけても消えない最強着火剤!/
薪
薪は、買う、貰う、拾うなど調達方法はいくつかありますが、初心者は断然買うほうが良いと思います。
購入のメリットは、しっかり乾いていて、大きさの揃ったものを確実に用意できるところ。
1泊なら大体5-7kg(600〜1,000円分)が購入の目安です。
余らせるとバイクに積んで持ち帰らないといけないので、僕は気持ち少なめを用意するようにしています。
薪の話(針葉樹と広葉樹)
針葉樹は火がつきやすく、燃焼時間が短いので、火付けとして利用しやすいです。
逆に広葉樹は火がつきにいですが、燃焼時間は長いので、じっくり眺めたい時や煮込み料理をするときに向いています。
試しにそれぞれの木を燃やしてみてください。木の特性を利用して焚き火ができるとより楽しめます。
道具と薪をバイクに積載する方法
焚き火の道具は嵩張りがちでバイクに積載する場合、一筋縄ではいきません。
そんな人に向けて、効果的な積載のコツを3つ紹介します。
- 道具をコンパクトにする
- ボックスに収納する
- 現地調達する
道具をコンパクトにする
最初からバイクに乗せることを想定して、コンパクトな道具を厳選する方法です。
特に焚き火台は嵩張るので、慎重に選びましょう。
先ほど紹介した「ファイアスタンドⅡ」は、カバンにすっぽり収まる焚き火台なので、バイクでも持ち運びが楽ちんです。我ながら良い選択だったと思っていて、10年以上愛用しています。
その他にもノコギリは折りたたみ式にしたり、伸縮型の火吹き棒を採用したり、ひとつひとつを厳選することでかなり容量が減らせます。
ボックスに収納する
薪を持参する場合、その積載に頭を悩ませることになります。
手っ取り早いのはホームセンターに売っているコンテナボックスを利用する方法。薪やキャンプ道具一式を放り込んで、バイクの後ろに括り付けるだけです。
細かいことを気にしなくて良いので一番確実です。薪や道具が雨に濡れる心配もありません。
強いて言うなら、嵩が増えるのと多少見栄えが悪いのがデメリットです。
現地調達する
そもそも積載しない、という選択肢も検討の余地があります。
特に薪は嵩張るので、キャンプ場で購入できないか検討してみてください。
キャンプ場の情報をインターネットやSNSで事前に調べれば、薪を販売しているかどうかはすぐにわかります。
荷物から薪がなくなると、バイクでも焚き火がしやすくなるので、初心者でも気軽にチャレンジできます。
まとめ
この記事の全ての内容が焚き火の正解だという気はありません。僕とは違った考えもあると思います。
しかし、「正解はないから好きに楽しめばいいんだよ」と初心者に言えるほど、焚き火は簡単ではないとも思います。特に昨今はキャンプブームによる焚き火のマナー違反も目立ちます。
この記事には、焚き火に関する自身の経験や独学で勉強したことを凝縮しました。
少なくとも焚き火の初心者の参考にはなるはずです。記事の内容をご自身のスタイルを確立するための踏み台にしていただければ幸いです。
キャンプツーリングのやり方と持ち物を網羅的に解説した記事も用意しています。焚き火以外についても学びたい方はあわせてお読みください。
≫キャンプツーリングのやり方と持ち物を初心者向けに徹底解説!【完全保存版】
旅のトラブルに備えたいならJAFがおすすめ!
車やバイクで遠出をするとなれば、万が一のトラブルが心配。
だから、僕は10年以上ずっとJAF会員です。
- バッテリー上がり
- パンク対応
- ガス欠対応
- 故障車けん引
これらが全て24時間365⽇、何度でも、無料で対応。安心してツーリングに集中できます。
さらに、身近なお店(全国約39,000の会員優待施設)でJAF会員割引や優待が受けられるので、年会費は実質無料。
お得に安心を手に入れましょう!
\僕もJAF会員です(^ ^)/
JAFについて詳しく見る