もし、バイクで長距離ツーリングをしている最中にスマートフォンが壊れたら。
想像するだけでぞっとしませんか?
※スマートフォン(以下、スマホ)の中のデータのことは考えないことにします
ここで考えたいことは、「スマホがなくても長距離ツーリングを“楽しんで”続けられるか?」ということ。
電話ができない、インターネットも見れない、ナビもメールもLINEもSNSも使用不可。
先日、父(長年バイクに乗っていて北海道ツーリングの経験も多々あり)と話をしていて、ふと思ったんです。
「僕、技術の進歩に甘え過ぎて大事なことを取りこぼしているかも・・・」
この記事では、“今の僕の北海道ツーリング”と“約30年前の父の北海道ツーリング”を比較していきます。
約30年前はスマホなんてなかったけれど長距離ツーリングは成り立っていた。
いや、今よりも楽しかったんじゃないか?
「昔のツーリング事情を知っておくことは、今の時代に旅を楽しむためのヒントになる!」
そう感じたので、この記事を書いています。
北海道ツーリングの今と昔でここが違う!
宿の予約はどうやってする?
- ネット予約
- スマホから電話
(いつでもどこでも連絡可能)
昔(30年前)
- 自宅(出発前)から電話もしくはハガキで予約
- 宿泊中の宿の電話で翌日の宿を予約
- 飛び込み
旅の出発前に“ハガキで予約する”というのも今の時代からすればまあまあ衝撃的ですが、ここで注目すべきは「宿泊中の宿の電話で翌日の宿を予約」するという方法。
昔はスマホ(というか携帯電話)はなかったので、予約の電話ができる場所は限られていた。
安定して電話があるのは宿なので、宿から宿へ連絡するのが簡単かつ確実な方法。
同じ宿に泊まっている他のバイク乗りから口コミ情報を聞きながら次の宿を決めて、すぐに電話する。
頼りになるのは口コミ情報のみ。
父からそんな話を聞いて「そのノリの良さってすごくいいね!」って感じた。
今や口コミから宿の外観、内装までインターネットで確認できる時代。
例えば、他人からおすすめされた宿でも、予約をする前にスマホを使って調べてしまう人って多いんじゃないかなあ、僕もそう。
調べた結果が自分の好みに合いそうなら予約するし、合わなそうなら別の宿を探せばいい、そんな風になりがち。
なぜなら、スマホさえあれば宿なんていくらでも見つかるし、いつでもどこでも予約の連絡ができるから。
でも・・・
それじゃあ新しい何かに出会いにくい気がする。
他人から聞いて「じゃあ、そこにするわ」ってその場で電話して予約しちゃう、このノリ!
なんか旅っぽい。
新しくて素敵な何かに出会える確率が上がる予感(もちろん失敗も多いと思うけど)。
たまにはそんな宿の決め方をしてみようと思った次第。
実は、「スマホが壊れても、電話をするなら宿で借りればいい」という最終手段を知れたのも収穫のひとつでした。
- 口コミと勢いだけで翌日の宿を決める
ツーリングルートはどうだった?
- スマホのナビ
- ツーリングマップル
昔(30年前)
- 紙の地図
※ツーリングマップルのような詳細なコメントなし
30年前に販売されていた紙の地図は国道と県(道)道が色分けされている程度だったらしい。
なので、行ってみたらダート道だったとか日常茶飯事。
旅先で出会うバイク乗りからの口コミ情報が頼りだけれど、「ちょっとだけダートだった」と聞いてたのに実際は数十キロダートだったり、「オンロードでも大丈夫、大丈夫、走りやすい」と言ってたのに全然大丈夫じゃない砂利ダートだったり。
人によって感じ方は様々で、結局のところ「自分で行ってみないとわからない」という状況だったとのこと。
そんな話を聞いて、単純だけど「自分で行かないとわからない、っていいね!」と感じた。
それって旅の神髄だと思う。
今はスマホや本で調べれば、「自分で行かなくてもわかる」ことが多いもの。
例えば、先ほどの「ダートかどうか・・・」なんて今ならツーリングマップル(紙の地図)を見れば書いてある。
他にもGoogleマップのストリートビューを見れば、大概のことは事前にわかる。
もちろん、すごく便利で助かることが多いし、僕もよく利用しているわけですが・・・
事前にいろんな情報が手に入るから「行かない」という選択肢を簡単に選べてしまう気がする。
例えば、大変な思いをしながらダートを走った話をしていた父はすごく楽しそうでした。
もし、父が事前に走りにくいダートだとわかっていてその道を回避していたら・・・
僕に話してくれた思い出話は存在しなかったはず。
- 道やツーリングスポットの情報の下調べはほどほどに出発する
- 「自分で行ってみないとわからない」という場所にこそ行く
▼そもそもナビしか使ってない方、紙の地図を使ってみるのはいかがでしょうか?
>>>なぜナビだけでツーリングをすると損をするのか?紙の地図を使うメリットまとめ
スポット情報はどうする?
- インターネット、本、口コミなど多数のメディアから収集
昔(30年前)
- 口コミ
30年前はインターネットなんてなく、情報はほとんど旅先で収集してたとのこと。
主な収集方法は、人に聞くこと。
つまり、口コミ。
そんな口コミで得た情報で訪れて、父が思い出に残っていると話してくれたのは、30年前の羅臼湖へのトレッキング。
前日に宿で情報を聞いて、一人でてくてく歩いて行った。
泥だらけになりながら。
そんな話を聞いていた僕は「情報は現地の人から聞くのが最強」だと思った。
今でこそ羅臼湖は有名だけど、30年前の当時はあまり知られてなかったらしい。
そんなレアな情報は今も昔も現地で収集するしかないんだよなあ、と改めて思った次第。
と考えると、スマホがなくても現地で必死に情報を集めればいい。
結果的にそちらのほうが貴重な情報に出会えるかもしれない。
- あえてインターネットやガイドブックは使わず、現地の人に聞く
バイク乗り同士の連絡先交換ってどうやってた?
- SNS、LINE、メールアドレスの交換
昔(30年前)
- 住所、自宅電話番号の交換
30年前は旅先で出会った人と住所を交換して、手紙や写真のやりとりをしていた。
30年以上経った今でも、北海道ツーリングで出会った人と父がハガキのやりとりをしていたことには驚いた。
年賀はがきと暑中見舞いはがき、年2回くらいのやりとりが30年以上。
お盆に実家へ帰省したときにちょうど手紙が届いてて現物を見て思った、「なんかいいなあ」って。
なんか今はデジタルな方法で簡単につながることができるので、その分だけつながりが切れやすい気がするなあ。
- 出会いのひとつひとつを大切にする
北海道ツーリングの昔と今で変わらないこと
ここまで、今と昔(30年前)の北海道ツーリングを比較して、違うところを重点的にご紹介してきました。
ただ、父と話していると違いだけではなく、変わらないものもみえてきたんです。
例えば・・・
「旅人同士の出会い」
バイク同士がすれ違いざまに挨拶をする(なんかこれヤエーっていうみたい)軽いものから始まって、フェリー内、宿、キャンプ場、あらゆるところで知らない人と出会って言葉を交わす。
これは今も昔も変わらないし、やっぱ旅の醍醐味だなあと感じた次第。
あとは、北海道がバイクで走るには適している場所であることは今も昔も変わらないということ。
何が言いたいかというと、変わったことはたくさんあるけど変わってないこともあったよーっていう話です。
まとめ
技術が進歩してどんどん便利になっていくからこそ、あえて立ち止まって昔のやり方に戻ってみるのっていいよね・・・この記事で言いたかったことはそんなことです。
もしかしたら今のやり方では一生気が付かなかったことを発見できるかも。
そもそもバイクって不便な乗り物。
少々の不便を楽しむくらいの余裕があったほうが旅は絶対に楽しめると思うんですよ。
お互いバイクライフを楽しみましょう!
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