排気量によるバイクの違いを徹底比較!決め方や250、400、1250㏄のレビューも紹介

  • 自分に合ったバイクが知りたい
  • 排気量によって何が変わるの?
  • 排気量の決め方やおすすめを教えて!

バイクには、車種に加えて排気量の違いもあり、選ぶのは簡単ではありません。

そこで、少しでも多くの方が自分に合った排気量のバイクを選べるように、「排気量ごとの違いと決め方」をまとめました。

これまで250cc、400cc、1250ccのバイクを所有してきた筆者の経験を凝縮しています。

この記事を読めば、排気量による違いが網羅的にわかるので、後悔しないバイク選びができるようになります。

バイク選びの理想は、「絶対に乗りたいバイク」に乗ることだと思っています。
本記事は、そのような究極の一台がない人(そういう人のほうが多数だと思うし、僕もそのひとりです)に向けて書いています。

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バイクの各排気量の違い|法律と税金

まずは明確な違いとして、法律と税金の面で比較しましょう。

要点だけを以下の表にまとめました。

  126-250cc 251-400cc 401cc以上
免許の区分(道路交通法) 普通自動二輪免許 大型自動二輪免許
軽自動車税 3,600円/年 6,000円/年
自動車重量税 4,900円/登録時 1,900円/年(登録後12年まで)
2,300円/年(登録後13-17年まで)
2,500円/年(登録後18年以上)
自賠責保険料 8,920円/24ヶ月 8,760円/24ヶ月
車検の有無
高速道路の利用

この表のポイントは次の2つです。

  • 「126-250cc」は維持コストが圧倒的に安い
  • 「251-400cc」と「401cc以上」では、税金と自賠責料の違いはない(免許区分の違いのみ)

「126-250cc」は維持コストが圧倒的に安い

「126-250cc」の軽自動車税は、250cc超の金額の6割で済みます。

自動車重量税においては登録時の1回のみ。毎年支払う250cc超と比べ、「126-250cc」は長期所有になればなるほど維持コストが安くなります。

しかも「126-250cc」は車検がないので、2年に一度のまとまった出費もありません。

にも関わらず、高速道路など利用制限はなし。

「126-250cc」は、低コスト高パフォーマンスなオイシイ排気量と言えます。

「251-400cc」と「401cc以上」では、税金と自賠責料の違いはない

401cc以上は大型バイクと呼ばれ、維持コストが高いイメージがあるかもしれませんが、意外にも税金や自賠責の金額は「251-400cc」と全く同じです。

法律と税金の面だけに注目すれば、免許の区分の違いだけです。

「251-400cc」と「401cc以上」に関しては、維持コストで選ぶのはナンセンス。

コスト以外の乗った感覚や所有感、リスクの違いは大きいので、その部分に注目して選ぶほうが後悔しません。

親子ツーリング

大型二輪免許は取得すべき?大型バイクに乗ると感じられる魅力を徹底解説!

各排気量のメリットとデメリット

以下3種類の排気量帯について、それぞれ詳しく紹介していきます。

  • 「126-250cc」のメリットとデメリット
  • 「251-400cc」のメリットとデメリット
  • 「401cc以上(大型バイク)」のメリットとデメリット

「126-250cc」のメリットとデメリット

250㏄バイクの例(GB250クラブマン)
GB250クラブマン(250cc)

「126-250cc」は、とにかく気軽に乗れる排気量です。

メリットは以下3つ。

  • 維持コストが安い
  • 燃費が良い
  • 車体がコンパクト(小さくて軽い)

一方、デメリットは以下2つです。

  • 加速力が弱い
  • ロングツーリングでは疲労が溜まりやすい

126-250ccのメリット

維持コストが安い

前述のとおり、「126-250cc」は税金や自賠責の金額が圧倒的に安いです。

使用オイルは少なく、タイヤやチェーンなどの各パーツの小さいので、消耗品交換も比較的安く済みます。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

タイヤ交換の場合、大型より250㏄のほうが前後で2万円以上安いこともあります

燃費が良い

単気筒など気筒数の少ないエンジンが採用されることが多く、燃費の良い車種が多いです。

以前乗っていたGB250クラブマン(250㏄)は、単気筒エンジンで燃費は平均38km/Lでした。

その後に所有したZRX400(400㏄・4気筒)の燃費が約15㎞/L、XJR1300(1250㏄・4気筒)が約16㎞/Lだったので、比較すると単気筒250ccがいかに驚異的な低燃費かがわかります。

ガソリン代を気にせず遠くまで行けるのは、バイクを楽しむ上でかなり重要です

車体がコンパクト(小さくて軽い)

車体のコンパクトさも「126-250cc」の魅力です。

小柄な方や女性でも、そこまで負担なく乗れます。

Uターンなどの操作が比較的簡単にできるため、多少のダートや細い道でも躊躇わずに突っ込むことができます

これは大きくて重い400ccや大型バイクでは、なかなか真似できません。

実際、400ccや大型バイクに乗り換えた途端に、面白半分で細い脇道などに寄り道する回数が激減しました。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

躊躇なく行きたい方向へ行けるのが、この排気量帯のバイクの大きな魅力です

126-250ccのデメリット

加速力が弱い

排気量が小さいので加速力はそれなりです。

坂道や高速道路では「もう少し加速力が欲しい…」というシーンがあります。

とはいえ、ツーリングができないレベルではありません。

僕はGB250クラブマン(250cc)で北海道を何万キロも走りましたし、北海道から関西まで自走も経験しました。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

多少の非力さと上手く付き合っていくのも、この排気量帯の楽しみではあります

ロングツーリングでは疲労が溜まりやすい

250cc超のバイクに比べると、疲労の溜まりやすさは否めません。

シフトチェンジの回数が多いですし、エンジン回転数が高くなりがちな分だけ振動も大きくなります。車重が軽いので風に煽られやすく安定性に乏しいです。

塵も積もれば山となるじゃないですが、ロングツーリングとなればこれらが積もって疲労を感じやすくなります。

適度に休憩を取りつつ、のんびりと進んでいくスタイルに合っています。

疲れにくいバイクの乗り方は、「疲れないバイクの乗り方は今までの長距離ツーリングがすべて教えてくれた」で詳しく解説しています。

「251-400cc」のメリットとデメリット

400㏄バイクの例(ZRX400)
ZRX400(400cc)

「251-400cc」は、国内で走るには十分なパワーがある排気量です。

メリットは以下2つ。

  • 必要十分なパワーがある
  • アクセルを開けるのが楽しい

一方、デメリットは以下2つです。

  • 維持コストが大型バイクとあまり変わらない
  • 所有感は大型バイクのほうがある

251-400ccのメリット

必要十分なパワーがある

「126-250cc」のデメリットである「加速力の弱さ」が解消されます。

特に400ccなら普段のツーリングでパワー不足を感じるシーンは、ほとんどなくなります。(ただし、大型バイクとのマスツーリングは除く)

250ccから400ccに乗り換えた僕は、その加速力に感動し、ロングツーリング時の疲労の少なさに衝撃を受けました。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

ZRX400(400cc)のパワーに不満は全くありませんでした(感じ方には個人差があります)

アクセルを開けるのが楽しい

「251-400cc」は、アクセルを開けて楽しめる排気量帯です。

「401cc以上(大型バイク)」は、強力なパワーゆえにアクセルを少し捻ればすぐ法定速度に達してしまい、公道ではあまりアクセルを開けられません。

「126-250cc」ならどうかと言えば、少々パワー不足を感じます。

「126-250cc」と「401cc以上(大型バイク)」の間というのが、アクセルを開けて楽しむには絶妙な塩梅です。

ZRX400に乗っていた頃は、エクセルを開けて、エンジンをたくさん回して走っていました。この楽しい感覚は、現在のXJR1300では再現できません。

「400ccは大型二輪免許の持っていない人が乗るバイク」という否定的な意見を聞いたことがありますが、僕はこの意見が大嫌いです。

この排気量帯でしか味わえない魅力が確実にあります。これは色んな排気量のバイクに乗った経験から断言できます。

251-400ccのデメリット

所有感は大型バイクのほうがある

所有感は400ccよりも大型バイクのほうがあります。

車重や車格が大きい分だけ見た目にインパクトがあり、各部の作りも大型バイクの方が豪華です。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

見た目や所有感重視なのであれば、「251-400cc」だと物足りないかもしれません

維持コストが大型バイクとあまり変わらない

大型バイクのほうが維持コストが高いと思いきや、そこまで変わりません。

バイクの各排気量の違い|法律と税金」で記載したとおり、税金面に差はなく、大型バイクのほうが消耗品が(大きく、丈夫になる分だけ)多少高くなるくらいです。

この維持コストと「251-400cc」独自の魅力をどう捉えるかで、選択が変わってきます。

「401cc以上(大型バイク)」のメリットとデメリット

1300㏄バイクの例(XJR1300)
XJR1300(1250cc)

「401cc以上(大型バイク)」は、強大なパワーと存在感で所有欲を満たす排気量です。

メリットは以下2つ。

  • 強大なパワー
  • 圧倒的な存在感と所有感

一方、デメリットは以下2つです。

  • 実用性が他の排気量に比べて劣る
  • 維持コストが高くなる場合がある

401cc以上(大型バイク)のメリット

強大なパワー

先ほど「400ccでパワー不足は感じなかった」と書きましたが、400ccから1250ccに乗り換えて、「バイクのパワーはあるに越したことはない」と思うようになりました。

力強い発進と加速は、ツーリングの疲労を最小限まで抑えてくれます。

どの速度からでも欲しいだけ加速し、追い越しもスムーズにできるので、高速道路での長距離移動が桁違いに快適です。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

「本気を出したら簡単に追い抜ける」という余裕は、無理にスピードを出す気にならず、逆に安全運転になりました

なぜ大型バイクは疲れにくいのか?

大型バイクはトルクが太いので、街乗りではスムーズに加速でき、ストレスなく常用速度まで到達します。低速ギアでも幅広い速度に対応するため、シフトチェンジの回数も少なくて済みます。

高速道路では、(余裕のあるパワーのおかげで)低いエンジン回転数で巡航できるため、少ない振動で乗り続けられます。

さらに車格、車重が大きいため安定性が高く、横風にも煽られにくい。

これらのストレスレスな要素が積み重なった結果が「大型バイクは疲れにくい」という体感になります。

圧倒的な存在感と所有感

大型バイクは車体やエンジンが大きくなり、各部の質感も向上するため、所有欲をとことん満たしてくれます。

現在所有しているXJR1300は、大型ネイキッドの見た目と約300㎏の巨大な鉄の塊を操作している感覚が心地良いです。

乗り換える前のZRX400と比較すると、メーターやサイドカバー周りなど、視界に入る各パーツの質感が大幅に向上しました。

大型バイクに乗ると周りからの反応も変化します。

コンビニや道の駅などで知らない人に話しかけられる頻度が多くなりました。周りからの評価のために大型バイクに乗っているわけではないですが、人間なので承認欲求を満たされることに悪い気はしません。

401cc以上(大型バイク)のデメリット

実用性が他の排気量に比べて劣る

大型バイクは趣味嗜好性が高くなるので、車格もパワーも大きすぎる傾向です。

大きい、重い、小回りが効かない、パワーがありすぎて事故時のリスクが高い、重い分だけ止まりにくい、など実用性を失っている部分は少なくありません。

ぺけらいふ
ぺけらいふ

所有欲と強大なパワーがもたらすメリットのために、多くの実用性を犠牲にするのが大型バイクです

維持コストが高くなる場合がある

大型バイクは、消耗品(チェーンやタイヤなど)に大きさや頑丈さが求められるため、割高になります。

市場価値が高く盗難のリスクが上がるため、保管場所の確保にコストがかかる場合があることに注意です。

消耗品については頑丈な分だけ(きちんとメンテナンスすれば)寿命が長かったりするので、一概にコスト高とは言い切れない部分があります。

個人的な実感としては、400ccも大型バイクも維持コストは変わりません。

大型バイクのデメリットはJAFでカバーできます

大型バイクはその大きさと重さゆえに、万が一のトラブルの際に自力解決が困難な場合が考えられます。

僕は、いつでも誰かに助けてもらえる体制を確保するため、JAFに加入しています。この安心感はマジでプライスレスです。

実際に10年以上加入していて、JAFを激推しする理由は「JAFに入会する3つのメリットと年会費を実質無料にする方法【会員歴12年のヘビーユーザーが解説】」で超詳しく解説しています。

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自分に合ったバイク排気量の決め方|事例紹介

税金や「126-250cc」「251-400cc」「401cc以上」のメリットとデメリットを書いてきました。

どの排気量も一長一短なので、「その時々の自分に合ったバイクを選ぶのがベスト」だと考えています。

僕はこの考えに従って3台のバイクを乗り継ぎ、後悔なく楽しめました。

重要なポイントは、今の自分に合ったバイク(排気量)を知って、後悔なく選択すること

これから僕が各排気量のバイクを選んだ理由を紹介するので、選択の参考になれば嬉しいです。

250cc|GB250クラブマン(ホンダ)

250㏄のバイクでツーリングをした時の画像

初めてのバイクなので、気軽に乗ってバイクの魅力を存分に感じることが目的でした。

学生だったので維持コストが安く、小回りが効く250㏄のGB250クラブマンを選びました。

このバイクじゃないと金銭的に厳しくて楽しめなかったと思います。燃費が良いので、なけなしのバイト代で入れたガソリンでも遠くまでツーリングできました。

コンパクトな車体のおかげで、何度立ちゴケしても、ダート道にも突っ込んでもリカバリできて、バイクを存分に楽しめました。

400cc|ZRX400(カワサキ)

アウトライダー写真コンテスト掲載作品

社会人になって少々金銭的な余裕ができたので、車検はありますが250㏄よりもパワーのある400㏄のバイクを中古で購入しました。

会社勤めなので学生よりも時間がない中、限られた休日でより遠くまでツーリングするのが目的でした。

400ccのパワーや振動の少なさのおかげで長距離移動が楽になり、1日のツーリング範囲がかなり広がったことを覚えています。

高速道路も積極的に使うようになって、さらに移動距離が伸びました。ETCも付けました。

ETCは付けた方がいいです。詳細は「なぜバイクにETCを付けるとお得なのか?その理由と取付までの流れを徹底解説!」をお読みください。

1250cc(大型バイク)|XJR1300(ヤマハ)

超広角レンズで撮影した道

大型バイクとはどんなものなのか、普通二輪の先をどうしても知りたくなって大型免許を取得し、XJR1300に乗り換えました。

圧倒的なパワーと満たされる所有感に驚きました。

ここまでくると目的はただ「大型バイクとはどんなもんか、一回乗っとくか」という興味が大きかったです。

感想としては、「やっぱり大型バイクは違うな」でした。

いまだに「ここまでのパワーは不要だよなあ」と思いますが、体力と経済力が許すうちはこのバイクを楽しんで、頃合いを見て250ccあたりに戻ろうかと思っています。

排気量に悩んだら250ccからのステップアップがおすすめ

排気量選びに悩んだ時は、排気量に囚われすぎないほうがいいです。

「後から変わるかもねー、とりあえず今はこれかな」くらいの気持ちで決めるくらいが幸せになれます。

それでもどの排気量にするか悩んだら、250ccのバイクを選ぶのがおすすめです。

僕と同じようにステップアップしていけば、以下のようなメリットがあります。

  • 各排気量の特徴を体感できる
  • リスク値と運転スキルを段階的に上げられる

各排気量の特徴を体感できる

各排気量には必ずメリット(特徴)があります。

それをいくつ知っているかでバイクライフの濃度が変わります。

これを知らずに大型バイクだけしか乗っていない人の中には、「大型バイクこそ正義」、「排気量が大きいほうが偉い」という残念な意見を持つ人がいます。彼らのバイクライフの濃度は氷が溶け切ったカルピスの残り汁より薄く悲惨です。

各排気量に乗る経験がもたらす視野の広がりは、後の大きな財産になります。

リスク値とスキルを段階的に上げられる

排気量が大きくなるに連れて車重もパワーが上がります。

その分だけ運転スキルが求められるし、万が一事故に遭遇したときのダメージも大きくなります。

250ccにリスクがないわけではないですが、大型バイクと比べるとリスク値は低いです。

リスク値が低いところから慣れていき、徐々にステップアップしていくことは安全管理の面でもメリットがあります。

ステップアップには中古バイクを上手く利用しよう

僕がこれまで乗ったバイクは、3台とも中古バイク(しかも20年以上落ち!)です。

ステップアップは乗り換えを前提としているので、中古バイクを上手く利用することで出費を抑えることができます。

中古バイクといえば故障などが心配かもしれませんが、選び方とメンテナンスに注意すればトラブルは最小限に抑えられます。実際に僕はこの12年、中古バイクだけで大きなトラブルなく楽しめています。

中古バイクの選び方とメンテナンス方法は、以下で詳しく解説しています。
»中古バイクの不安解消!選び方、メンテナンス、トラブル対処法【20年落ち3台に乗った結論】

また、乗り換え時に今のバイクを売る場合は、「バイクの売却で成功を掴むための究極ガイド【後悔しないおすすめ買取業社も公開】」で絶対に後悔しない売り方を解説しているので、そちらもあわせてチェックしてください。

故障しやすい排気量はある?

どの排気量でも故障の心配はあります。

特に中古車はリスクが高めなので、僕は250ccに乗り始めた初期からずっとJAFの24時間365日ロードサービスでその不安を最小限に抑えています。

ロードサービス以外でも日常的に「JAFに入っててよかった!」と感じることがあり、それについても「JAFに入会する3つのメリットと年会費を実質無料にする方法【会員歴12年のヘビーユーザーが解説】」で詳しく紹介しています。

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